「新しい機材を購入することでもたらされる変化のひとつが、音と機材に対する社員のクオリティーの向上です。」と語っていただいたのは、ご担当者の乙部晴秋さん。機材購入が「社員のクオリティーの向上」になるという視点を掘り下げてうかがってみました。
「新しい機材に向き合うことで社員は音と機材に対する新しい知識を得、現場における技術を学ぶことにつながります。興行主さんに提案の幅が広がるということも可能なうえ、知識と技術の習得は機材設置や設定のスピードアップにもつながり、現場でクライアントやアーティストと対話する時間を今まで以上に作れるようになります。時間が増えればアーティストとの連携も密になり、現場のクオリティーを上げることになります。つまり、社員のクオリティー向上が現場のクオリティーをも引き上げるという正の連鎖となり、その大きな部分を新しい機材が担っているとも言えます。」
アクト・ディヴァイス様は地域に密着した仕事を長年請け負ってこられました。専門的な知識を持ち合わせていない多くのお客様と、打ち合わせから本番終了後の片付けまで、さまざまな場面で意見のすり合わせが必要となってきました。そのなかで「人とのコミュニケーションが大切だ」という意識が自然に生まれて、今では社是の一つとなっています。コミュニケーションを大事にする社風が、今回の新規機材の購入の土台にもなっていると感じました。
業務用の機器である以上、要求を満たすスペックが備わっていることはもちろん、機材が持つ営業力が重視されました。
今までの顧客をさらに満足させられるもの、新規顧客を取り込めるもの、自社運用だけではなく他社の現場でも使ってもらえるもの、他社との差別化を図れるもの、そしてなにより「アクト・ディヴァイスが持っている」と認知してもらえるもの。さらに重要視したポイントとして「業界標準機であること」が挙げられます。
今後の評価が高まっていくツールであること、音質が良いこと、将来を見据えての伝送方法を選択できること、動作が安定していること、どのようなジャンルにも対応できるもの
以上のような要件を備えていると判断されたのが、DiGiCo のSD10とJBL PROFESSIONAL のVTX-V Series でした。
● SD10、VTX-V Series について
- DiGiCo SD10 DiGiCo のSD Series を知るきっかけは、「SD8」をヒビノの営業さんが持ってきてくれたことでした。「SD8」は、その時すでにワールドスタンダードとして知られていたコンソールでしたし、聞いた感じを素直に述べると、音の密度が濃くて音楽的な音が出るなという印象でした。
SD Series のラインからSD10 に決めたのは、37 フェーダーという大きさの割に軽量で可搬性に優れていることでした。運用を考えると、少人数で仕込みをしなければいけないことが多いため、重量があるものは考えられなかったからです。
もちろん、世界的な評価を持つDiGiCo のコンソールであることがベースとしてありましたし、高音質で直観的な操作ができることも大きなポイントです。将来、ネットワークでつなぐことも考えて、伝送方法がMADI でもオプチカルでも可能なところも決め手になりました。
-JBL PROFESSIONAL VTX-V Series JBL PROFESSIONAL のVTX-V Series を初めて聞いたのは、InterBEE 会場での試聴会でした。以前、同じラインアレイシステムでひとつ前のモデルのVerTec を聞いたことがあったのですが、VTX-V Series を聞いた時には印象が大きく変わりました。出力音圧が高いというのはもちろん、情報量の多さにびっくりしました。ディテールや微妙なニュアンスがよくわかりましたし、なによりのびやかな高域に魅了されました。
その頃、所有していた8 インチのラインアレイのスピーカーシステムでは、ジャンルによっては物足りなさを感じる場面が増えてきたために、ブラッシュアップを考えていました。そういうタイミングに、10 インチ低域ドライバー2 個を搭載しながらコンパクトに収まったサイズ感で音が良いVTX-V Series に巡り合えたことが幸いでした。
サブウーファーも舞台音響をやるうえには必須アイテムですので、同じVTX Series のものをそろえて音色を揃えました。
アクト・ディヴァイス様の活動は、岩手県内はもとより東北一円、関東から全国へと範囲を広げています。新規機材を導入したことで、どんなジャンルにも、どんな規模のイベントにも対応できるシステムを獲得されました。あらたな機材とともに次なるステップを踏むアクト・ディヴァイス様のご活躍を期待します。 |
▲チェック中のDiGiCo「SD10」
▲JBL PROFESSIONAL「VTX-V20」×8本 |