YCC県民文化ホール(山梨県立県民文化ホール)は、山梨県甲府市にある多目的ホールです。1989席の大ホールと700席の小ホールに加え、練習室やリハーサル室など充実した施設によって構成され、一流の芸術鑑賞および地元の文化活動育成の場として活用されています。 このたび大規模なシステム更新が施され、「大ホール」「小ホール」の両方へDiGiCoのデジタル・ミキシングコンソール「Quantum338」が導入されました。製品選定および運用管理を担当されている舞台技術部の安田悠史様にお話しを伺いました。
Q. システム更新のきっかけについて教えてください。
既存システムは機器の経年劣化が進み、中には修理不可能のため利用できない機器もありました。そのため、スピーカー、プロセッサー、再生機に加えて、調整卓も含めたシステム全体の改修を行うことを決めました。
Q. DiGiCo Quantum338を導入された決め手は何ですか?
サイズ感、チャンネル数、音質、拡張性などのポイントで検討した結果、『Quantum338』に決定しました。また、今回「大ホール」と「小ホール」の両方に同じ『Quantum338』を導入したことで、管理・運用がしやすいと、会館スタッフからも好評です。
Q. 実際に運用した印象はいかがですか?
●32bit 96kHzの高音質
スピーカーなど、システム全体を更新したということもありますが、「解像度」や「明瞭度」など音質の向上にスタッフ全員が気付きました。さらに、利用者や乗り込みの音響業者、録音業者からも改修後に「(改修前に比べて)音質が良くなった。」とのお声をいただくこともありました。 講演会や音楽ものの催事など、多様な催事を行うホールにとってはとても喜ばしいです。
●操作感
調整卓のフェーダーやトリムの感覚について、「軽すぎず、操作がしやすい」とスタッフから声がありました。というのも、最近のデジタル卓は、軽すぎて、ちょっと触っただけで、パラメーターが思った以上に動いてしまうこともあるのですが、Quantum338は“重すぎず軽すぎず”とほどよい感覚なので、とても操作がしやすいです。
それから3画面構成のディスプレイがとても使いやすいです。ひとつの画面を複数バンクで共有している製品の場合は都度切り替える必要がありますが、Quantum338は「左」「中央」「右」がそれぞれ独立しているので、ストレスなくオペレートできます。
またマクロ機能もとても便利ですね。各スタッフ、自分のよく使う機能を割り当てて使っています。
■拡張性・カスタマイズ性
SD-Rackは、インプット数、アウトプット数、アナログ、デジタルなどカスタマイズができる点がとても良いです。現在は、まだ空スロットもあるため、今後のアウト回線の増設などにも対応でき、拡張性が高い点も嬉しいです。
実は改修工事終了の翌日から早速催事が入っていたのですが、DiGiCoを初めて使用するスタッフもいたため、少し不安がありました。でもヒビノのスタッフから製品説明の機会を設けていただけたので、心配事や疑問点をひとつひとつその場で確認することができ、大変助かりました。おかげさまで、現在まで大きなトラブルなく運用ができています。 本格的な運用が始まってからも、スタッフ間で「こんなことできないかな?」「こんな使い方をしたら便利だった!」と、意見交換することが増えています。まだまだ使い切れていない機能もあるので、これからが楽しみです。
▶YCC県民文化ホール(山梨県立県民文化ホール) |