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NASAの火星探査機"マーズ2020"にDPA 4006が搭載!

アメリカ航空宇宙局(NASA)の火星探査機"マーズ2020"は、2020年夏に打ち上げられ、2021年2月に神秘的な赤い惑星"火星"へ到着する予定です。この火星探査機"マーズ2020"には、火星のサウンドスケープを捉えるためにDPA Microphonesのマイクが採用されることになりました。火星の大気圏に突入する際の大気の摩擦や風の音、ローバーが火星の地表へタッチダウンする際の音を捉えられることが期待されています。

Mars2020

 

■火星の風の音を聞く

火星の大気の音が確認できたのはごく最近で、2018年12月1日のことです。NASAの火星探査機"インサイト"に搭載している超高感度地震計が火星の風によって引き起こされる振動を捉えたのが最初です。同様に探査機のエアプレッシャーセンサーも風の音を捉えました。いずれも音を録音することを目的とした機器ではありません。下記の動画でその音を聞くことができます。

 

 

火星のサウンドスケープをより深く理解するために、"マーズ2020"にはDPA Microphonesの音響製品が搭載されます。火星探査機が宇宙空間を抜け、火星の大気に突入し、そして地表へ着陸する…そこで録音されるであろう数々のサウンドを想像してみてください。

 

Mars2020 Rover

 

■DPA Microphonesのどの製品が火星に行くの?

4006 + MMP-G

NASAはあらゆるマイクをテストした結果、DPAの製品を選択しました。d:dicate 4006 無指向性マイクロホンはモジュラーアクティブケーブルのMMP-Gと組み合わせて車体に取り付けられ、ローバーの「耳」となります。ローバーの内部では、DPAのデジタルオーディオ・インターフェース【VIMMA-A】が「脳」の聴覚部分として機能します。VIMMA-Aの役割は、4006が捉えた信号を高いクオリティでデジタル化すること、そしてUSB経由でローバー内のコンピューターに送信することです。

Mars2020 & 4006, MMA-A

火星への旅は、決して容易ではありません。ローバーはマイナス100℃という極端に低い温度や大きく変動する圧力、そして激しい振動にさらされます。すべての機器を安全に火星へ着陸させるため、探査機の設計チームはVIMMA-Aをローバー内部に保管するための特別なエンクロージャーを用意しました。さらにNASAのジェット推進研究所(JPL)とDPAのR&Dチームは、モジュラーアクティブケーブルMMP-Gをローバー外部に取り付けるための特別なハウジングを共同で開発しました。

しかしながらDPAのマイクをローバーに搭載するために施した改良はこのハウジングのみです。普段、オーケストラの収録やレコーディング、テレビの収録などで使用されているあの無指向性マイク4006と同じものが、そのまま火星へと旅立つのです。

 

■マイクのミッションは?

このミッションで一番難しいのは、大気圏への突入から降下、そして火星の砂煙の中のタッチダウンまでを録音し続けることです。火星の大気の中でパラシュートが開く音は、まだ誰も聞いたことがありません。ローバーは、探査機にぶら下がる形で徐々に高度を下げて火星の地表に近づき、最終的に本体と切り離されて火星に着陸します。

DPA Microphonesのミッションはこの間の音をNASAに届けることです。届けられた音はプロジェクトのエンジニアや科学者を魅了するだけでなく、多くの人に感動を与えるでしょう。

 

■何が聞こえる?

確かなことは誰にも分りませんし、推測の域を出ません。DPAのオーディオエキスパートであるEddy Bogh Brixen氏に、このミッションでどのようなサウンドを期待するか聞いてみました。あくまで推測ではありますが、下記の動画には彼の期待しているものが表現されています。

 

 

■DPA & NASA - 共同ミッション 

今回のマーズ2020プロジェクトは、DPAとNASAが共同で進める初めてのミッションではありません。

DPA製品の高い耐久性やスペースシャトル打ち上げ時の大きな音も正確に捉える優れた性能はNASAから高い評価を得ており、50年前にはじめて参加して以来、数回のプロジェクトに参加してきた実績があります。

■アポロ13号

初めて参加したのは50年前のプロジェクトです。1970年4月のアポロ13号打ち上げ音の収録に、DPAの前身であるB&Kの測定用マイクが採用されました。カプセルは、DPAの4004/4007のルーツとなったB&K 4133です。

 

■ミッション STS-63

STS-63は、1995年2月に初の女性パイロットを乗せたスペースシャトル"ディスカバリー"を打ち上げたミッションです。ここでもアポロ13号で使用されたものと同じマイクが採用されています。

スペースシャトル打ち上げの録音には、音圧が170dBにも達する以外にも様々な困難が伴います。通常では考えらえないほどの爆風を受けるだけでなく、打ち上げの瞬間の発射台は強烈な熱と炎、そして化学薬品で覆われます。

このとき、3本のマイクで打ち上げ音を収音しました。ひとつは発射台から約152m(500ft)の位置で170 dB、もうひとつは約426m(1400ft)の位置で146 dB、そして最後のひとつは約1609m(1マイル)に設置して125dBの音を歪むことなく収音できました。そしてこの貴重な音源は、ABCやNBC、CNNなどをはじめとする数々の主要放送局で使用されました。

 


MMC4006 無指向性マイクカプセル
MMP-G モジュラーアクティブケーブル・プリアンプ

MMC4006+MMP-G 

VIMMA-A デジタルオーディオ・インターフェース

MMA-A