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フィールドレコーディング用マイク:DPA 4011Aの実力 by 河村大


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DPA 4011Aについて

DPA 4011Aは単一指向性のコンデンサー・マイクロホンです。レコーディングで楽器の収音に使用されることが多く、無指向性のDPA 4006Aと並んでプロフェッショナル仕様の高品位マイクロホンとして知られています。その音質は「色付けがない」「透明感がある」「自然な音質」などと称されています。

一般的に湿度に弱いとされるコンデンサータイプであること、比較的高価な製品であることから、これまでフィールドレコーディングの分野ではあまり使用されていませんでしたが、フィールドレコーディング・エンジニアの河村大さんはDPA 4011Aのクオリティに注目しました。「自然の音を録る」ために求められる「耐久性」と「クオリティ」について、実際にDPA 4011Aを使用した印象をお話しいただきました。

⇒DPA 4011A製品ページ
 




DPA 4011A~フィールドレコーディング用マイクとしての実力


フィールドレコーディング・エンジニアの河村大さんに、DPA 4011Aの活用方法を伺いました。パラボラ集音器と組み合わせて収音した遠く離れた虫の音やコウモリの羽音、波打ち際で泡が砂浜に吸い込まれる音、打ち上げ花火の破裂音などさまざまなシチュエーションでお使いいただいたそうです。DPA 4011Aは低音も高音も一本で収音できるうえに、湿度にも強いことも分かり、今後はフィールドレコーディング用マイクとして期待している、とお話しいただいています。
 

虫の音やコウモリの羽音をクリアに収音するDPA 4011Aのパラボラ集音

遠くにいる虫やコウモリはパラボラ集音器を使用して収音しています。パラボラ集音器を使うことでほかの音を排除し、狙った音源をよりクリアに収音できます。今回はDPA 4011Aを使用して、通常使用しているマイクと比較してみました。

パラボラ集音器を使用することで、周囲の音(例えば風の音や草木のざわめきなど)を最大限排除し、ターゲットの音を明瞭に収音可能な収音方法です。

遠くにいる虫の音を同条件下で二種類の方法で収音しました。

通常マイクとDPA 4011Aとパラボラ集音器で収音した音の比較
https://youtu.be/QD7HU0_OMrg?t=74


 
<河村氏>
通常のマイクでも虫の音としては良いレベルで録れていますが、DPA 4011Aとパラボラ集音器を組み合わせることで虫の音にここまでフォーカスできる
全然違いますよね
虫を単品で使いたいとき、空間音響を作った時に定点に置くことができるんです
空気が変なところにいない、塊にならないので
虫として認識できるんです



もうひとつは動物、コウモリの音です。


ロングガンマイク
https://youtu.be/QD7HU0_OMrg?t=123

DPA 4011A+パラボラ集音器
https://youtu.be/QD7HU0_OMrg?t=142

コウモリのいる木から約5mの距離、同じ位置から収音しています。
ロングガンマイクでも羽音が録れていますが、DPA 4011Aとパラボラ集音器だと羽音がここまで録れています。
 
<河村氏>
羽音まで録れている
ガンマイクでも録れている方だけど、DPA 4011Aだと羽音の単品ショーみたい
ここまで録れるって本当にびっくりしました
周りの音はパラボラが消してくれている上にポイントがドンピシャだったから
オンマイクに聴こえる


 

「砂浜に泡が吸い込まれる繊細な響き」と「打ち上げ花火の破裂音」の両方を明瞭に収音


波の音です。同じ位置から収音しています。

 

通常マイク
https://youtu.be/QD7HU0_OMrg?t=221

DPA 4011A+パラボラ集音器
https://youtu.be/QD7HU0_OMrg?t=233
 
<河村氏>
DPA 4011Aの方はは砂浜に泡が吸い込まれる音が完全に収音できています。
通常のマイクでは波の音をメインで収音しているので、このふたつの音源を組み合わせると南の島の海っぽい音になります。
波がメインの音と泡がはじける音ですね。今まで使っていたマイクではこのように耳元でピチピチパチパチ鳴る音がなかなか録れなかったんです。


上記ふたつの音源を組み合わせた音
https://youtu.be/QD7HU0_OMrg?t=270


DPA 4011Aの特性が顕著に出たのが花火の収音です。


 
通常マイク
https://youtu.be/QD7HU0_OMrg?t=338

DPA 4011A
https://youtu.be/QD7HU0_OMrg?t=360

 
<河村氏>
DPA 4011Aでは、高音の突き抜けている感じまでちゃんと録れています。
破裂音はすごく難しく、「パン」という音が思うように録れなくてずっと悩みでしたが、一気に解消しました!
 

フィールドレコーディングにはとても有効なマイク

 
<河村氏>
特に夏場に花火を収音する場合など、湿気の問題があると思っていたのでDPAは使ったことがなかったです。高価なペンシル型マイクは湿気に弱いと思い込んでいましたが、DPA 4011Aは夏場でも十分対応できました。それに、今までは低域と高域でマイクを使い分けていましたが、DPA 4011Aなら両方いけます。DPA 4011Aが2本あれば、それで十分です。
 
 
 

動画で見る

フィールドレコーディング・エンジニア河村大さんによるDPA 4011A活用法<パラボラ集音>


 

お話をお伺いしたエンジニア

河村 大(かわむら だい)
フィールドレコーディング・エンジニア

1994年~ビデオサンモール アシスタント~エンジニア
2001年~一口坂スタジオ エンジニア
2011年 Studio-ARM設立 代表取締役
映像音声に関することは、収録・選曲・Foly・音響効果・MIXまで全てワンストップで作業可能
Stereo作品はもとより、5.1ch~43.4chまでのサラウンド・イマーシブメイクを得意とする
ASMR・VR・Binaural等の同録、環境音収録、映画・番組音声収録などで
年間3ヶ月程度、国内外を移動している
誇張した実音ASMR・Ambisonicsに注力している

株式会社スタジオ・アーム
http://studio-arm.jp/index.html
 
2022.4.7
ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
最新の製品情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。