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REF10 SE120が "再び" SACDのマスタリングの現場に!
REF10 SE120が "再び" SACDのマスタリングの現場に!
日本のオーディオファンの方にイザベル・ファウストの魅力をより知っていただきたいという思いから、2013年以来『イザベル・ファウストの芸術』というテーマでSACD化に取り組んでこられた角田氏。キングインターナショナル様のご協力を得てイザベル・ファウストが所属するハルモニア・ムンディ(Harmonia Mundi)から音源を取り寄せて、マスタリング・エンジニアの辻氏と共同でリマスタリング作業を進めています。
マスタークロックとして導入された、MUTEC「REF10 SE120」
MUTECの純正クロック信号伝送ケーブル「
PC75BB」も使用されている
REF10 SE120を導入した感想を角田氏は以下のように語ってくださいました。
「MUTECの機材は優れた近傍位相ノイズが特徴で、特にこのREF10 SE120は-120dB/c @ 1Hz というハイスペックを持っている。この低い近傍位相ノイズが重要で、結果として、変換特性が上がるから解像度が上がる、ダイナミックレンジも拡張する、音も結論的には柔らかくなるという、いいことづくめですね。繊細な音とか柔らかさとか空気感とか、そういう人間の感性に触れるところに貢献できるようになります。
オーディオ的な視点で見るとAD/DAの変換素子が正確に一生懸命働いてくれているということだけれど、出てくる音はそれとは別。人が聞いて、おお、これは生演奏に近いかも、という臨場感とか、自然の音の階調。例えばピアノが一音ポーンとなったらその余韻がずっと減衰して消えていくとき、濃い色から薄い色に変化してやがて消えていくようなイメージ。そのようなものすごくデリケートなところに貢献する、そこが重要ではないかと思います。」
マスタリング・エンジニアの辻氏も「ステージの奥行感がかなり表現されていて、音がすごく立体的になったように感じます。」と語ってくださいました。
マスタリング作業風景
シューマンのピアノ四重奏曲、ピアノ五重奏曲が流れてくると、心地よい音に包まれ、そこにいる誰もが声も出せないくらい引き込まれてしまいました。
角田氏も「いままでは地味でほとんど聞かなくてもいいような作品だと思ってましたけど、ファウストが入ったこの豪華なメンバーだとこんなに変貌してびっくりしてしまう。音の重なりやそれぞれの楽器の掛け合いが、まさに丁々発止。このメンバーは勝手知ったるところがあって、意思疎通が完全に図られて、すごい演奏だと思う。ずっと聞いていたいくらい、すごく気持ちがいい。」と絶賛されていました。
イザベル・ファウストの「SOLO」では、バイオリンの弦の響きのひとつひとつが心地よく、聞いているうちに彼女が目の前で演奏しているような錯覚に陥りました。ディスクの最後に収められているビーバーのパッサカリアは、彼女の演奏技術の高さもさることながら、奏でられた音はなめらかでふくよか、かつ迫力があり、角田氏も「いいね」とひとこと。音の濃淡の変化や弱音部に現れる細やかな表現が生み出す空気感、心震わせる躍動感を存分に味わえる一枚に仕上がっています。
ハルモニア・ムンディは昔から「音がいい」と評されているレーベルですが、DSDマスタリングで音質がさらに向上しています。
SACDならではの細かい音のニュアンスや奥行、立体感を是非体感してください。
角田郁雄 Ikuo Tsunoda オーディオ評論家
父の影響を受け、オーディオに興味を持つ。スタジオ機器のセールスエンジニア的な仕事を経た後、 オーディオの魅力を若い世代にも伝えたいと評論の世界へ。ブランドの音やその背景にある技術、そしてその結果誕生するデザインの魅力を深く掘り下げる スタイルで厚い支持を獲得している。
辻 裕行 Hiroyuki Tsuji マスタリング・エンジニア
株式会社キング関口台スタジオ所属。「
JEWEL/小森まなみ」、「
INTERSECTION/小林 香織」、「
PARADE/TRIX」など、数々のアルバムのマスタリング・エンジニアを務める。
株式会社キング関口台スタジオ
〒112-0014
東京都文京区関口2-4-16
http://cnt.kingrecords.co.jp/studio/