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Kylie Minogue、DiGiCo Quantum852と共にステージを駆け抜ける
 
35年にわたるキャリアを誇るグラミー賞受賞アーティストのKylie Minogueは、多くのステージでDiGiCo製品を使用してきました。今回のヨーロッパツアーでは、最新鋭のQuantum852コンソールがその役割を引き継いでいます。
 
ツアーで使用されたDiGiCo Quantum852モニターコンソールを操作するKevin Glendinning氏

シンガーソングライターのKylie Minogueは、ラスベガスのヴェネチアンリゾートに新たにオープンした「Voltaire」で初のレジデンシー公演を成功させました。昨年末にリリースされた16枚目のスタジオアルバム『Tension』は、彼女にとって9枚目の全英ナンバーワンアルバムとなり、ロンドン、ラバト、アテネで行われた公演も全て完売となりました。

オーストラリア出身のKylie Minogueは、歌手・女優・司会者として幅広く活躍し、2度のグラミー賞と4度のブリットアワードを受賞しています。イギリスとオーストラリアで勲章を授与され、今年はタイム誌の「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれました。そして1989年から19回ものツアーを行い、世界中のアリーナやスタジアムを満員にしてきました。

多くのツアーでDiGiCoを使用しており、最近ではQuantum852コンソールがモニターチームで使われています。このコンソールは、ソロテックUKから提供されたもので、IEMエンジニアのKevin Glendinning氏が操作しています。

Miley Cyrus, Ariana Grande, and Mumford & Sonsなどのライブミックスを手掛けてきたGlendinning氏がKylie Minogueと最初に出会ったのは、2009年の「アメリカン・アイドル」出演時でした。それ以降15年にわたってテレビ番組出演をサポート。2023年5月には再び『アイドル』を、そしてその後ラスベガスのレジデンシー公演ではモニターも担当しました。

「彼女のメインエンジニアであり親友のMatt Napierがほかの仕事で忙しかったんです。KylieもMattもロンドンで私だけロサンゼルスにいたので、まるで西海岸担当のエンジニアのような存在でした。だから、ラスベガスの公演でモニターエンジニアが必要だとマネジメントから連絡が来たときは、古い友人から連絡をもらったような気持ちでした。」とGlendinningは話します。

Kylie MinogueもGlendinningも、DiGiCoコンソールを長年愛用している仲間です。Glendinningは2008年のLenny Kravitz’s「Love Revolution」ツアー以来、ほぼ例外なくDiGiCoを使い続けています。「カイリーの音も長年DiGiCoでミックスされていたから、同じシステムを使い続けたかったんです」と彼は言います。ラスベガスのレジデンシー公演では、全体にコンパクトな会場だったためSD12-96を選びましたが、ヨーロッパ公演では、よりスペックの大きなQuantum852を使用しました。グレディニングはDiGiCo 21周年記念パーティーで発表されたQuantum852のことを知り、すぐにカイリーの次の公演に使いたいとDiGiCoのCEOであるジェームス・ゴードン氏に依頼しました。

Quantum852はGlendinningの期待を超えるものでした。「本当に感動したのは、どこでも好きな場所に好きなものを自由に配置できる使いやすさです。カイリーのセクションを常に一定の場所にバランスよく配置しながら、バンドやゲストアーティストのセクションも整理できます。コンソールを直感的にレイアウトして構築できることが素晴らしいです。Quantum852は大きなコンソールですが、まるでクラシックなミキシングデスクのような操作感で、これは理想的だと思います。DiGiCoは素晴らしい技術を持った会社で、音質やサポートにも常に感謝していますが、コンソールの操作感という点でも本当に期待を裏切らないですね。」

Glendinningは、Quantum852に搭載されているMustardやSpice Rackプロセッシングを積極的に活用しており、以前は外部機器で行っていた処理をすべてこれに置き換えています。「すべてがコンソール内の機能で対応できることは素晴らしい」と彼は言います。「アコースティックギターやボーカルのリバーブには皆が満足しています。具体的な名前は言いませんが、彼女は以前、非常に高価で高性能なリバーブユニットを使っていましたが、私はそれをコンソールの標準的なボーカルプレートに置き換えただけ。このプロセッシングは本当に優れています。」

オプトコアループのもう一方ではFOHエンジニアの Kevin Pruceが15年間にわたりKylie Minogueのボーカルをミックスしています。これまでに、 Björk, Madonna, Duran Duran, Lana Del Rey, and Tears For Fears.などのFOH(フロントオブハウス)も担当しています。彼は2020年のNAMMショーでQuantum338が紹介されて以来のファンです。「このコンソールが大好きで、DiGiCoの中で一番のお気に入りです。私にとって重要なのは、素早く効率的に操作できる人間工学です。スクリーンは大幅に改善され、明るい場所でも作業しやすくなりました。レイアウトがSD7に似ているのも利点ですし、3つのスクリーンとマスターセクション、またプロセッシングとしてMustardとSpice Rackが素晴らしい追加機能です」と言っています。

Kylie Minogueの世界的な人気は時代を超えて新しいファンを引きつけ続けており、DiGiCo製品も同様に進化し続けています。「DiGiCoは長年にわたりカイリーの“サウンド”の一部です。どのコンソールでもショーファイルをすぐに読み込み、アーティストにおなじみのサウンドと適切なミックスバランスを提供できます。これこそがDiGiCoの大きな成果です」とGlendinning氏は述べています。

DiGiCo Quantum338コンソールでKylie MinogueのFOHサウンドをミックスするKevin Pruce
 
2024年8月にハンガリーのブダペストで開催されたSzigetフェスティバルでのKylie Minogueの公演で使用されたSolotech UKのDiGiCo Quantum852モニターコンソール
 
Kylie MinogueのInstagramより