RIEDEL Communicationsは、同社のリアルタイム・ネットワーク”MediorNet”が、2024年民主党全国大会(DNC)でのComedy Central『The Daily Show』をサポートするためにEast Shore Soundによって導入され、制作の効率化に寄与したことを発表しました。柔軟なMediorNetのインフラはオペレーションを合理化し、セットアップ時間を短縮、さらに複数のロケーションにまたがるリソース共有を可能にしました。
■「デイリー・ショー」、MediorNetの信頼性と柔軟性を高く評価
今回『The Daily Show』の制作陣は、DNC会場であるシカゴのAthenaeum Center for Thought&Cultureにおいて設営時間の問題に直面しました。この美しい歴史的な会場は、1911年にオペラ、ダンス、オーケストラ、演劇のために建てられたもので、独自の空間的な課題を抱えていました。そこでMediorNetの分散型ルーティング機能により制作チームはこれらの課題を乗り越え、地下やメインスタジオ・フロア、高層階の制作オフィスなど、異なる場所にあるコンテンツ・ソースへのアクセスが可能になりました。
シカゴでの大会報道を担当した『The Daily Show 』のテクニカル・マネージャーであるSean Kelley氏は「MediorNet最大の利点は、信頼性と柔軟性でした」と話します。「MediorNetは予想以上に柔軟で信頼性が高く、番組の制作方法により、1週間を通して番組の主要な伝送にMediorNetを使うことになりました。今では私のお気に入りのツールです!」
『The Daily Show』は通常、月曜から木曜の午後5時か6時(米国東部標準時間)頃に番組を収録し、主にインタビューの長さを調整する編集を経て、午後11時(米国東部標準時間)にComedy Centralで放送されます。大会最終日の夜には生放送を行い、MediorNetシステムの多用途性を実証しました。
■MediorNetの導入で設営時間が大幅に短縮
今回使用されたMediorNetシステムは、MediorNetモジュラー・フレーム1台、MediorNet Compact PROフレーム9台、MetroN信号分配プラットフォーム1台、ソフトウェアベースの高密度信号インターフェースMicroNが10台、さらに映像ルーティング用パネルとして使用するMediorNet Control APP入りのRSP-2300シリーズパネル16台で構成されていました。
ルーティング・パネルの事前設定により、会場に到着してすぐに、システムをシームレスにセットアップすることができ、作業の95%を完了させることができました。これにより、現場での設営時間を数日から約1日半と大幅に短縮することができました。また、このシステムは、放送用中継車や技術クルーが夜通し現場に残ることなく、ポストプロダクション・チームが24時間365日コンテンツにアクセスできるようにしたため、より効率的なスケジュール調整に加えて残業費の削減、エンジニアの生活の質の向上につながりました。さらに、MediorNetシステムの冗長性により、ファイバーリンク障害が発生した場合でも、ネットワーク内の利用可能な帯域幅を経由して信号を自動的に再ルーティングされるため、信号の流れが途絶えることはありませんでした。
■中継車に依存しないポストプロダクション設備の構築
MediorNetシステムは、ライブと録画の両方のプロダクション・ニーズに対応し、多様な映像信号の配信だけでなく、タイムコードやBBなどの同期信号、信頼性の高いモニター・リターン、インカム・パネルの接続、インターネット接続の分配、伝送フィード管理も容易にしました。また、MediorNetシステムのもう一つのユニークな特徴は、ソース名やデスティネーション名を映像出力にオーバーレイ表示できることでした。この機能は『The Daily Show』チームのトラブルシューティングに非常に役立ち、混乱を減らし、中継車が現場に到着する前であっても、正しい信号を正しい目的地に確実に届けることができました。
“The Daily Show”のリード・テクニカルスーパーバイザー Eric Zeller氏のコメント:
「MediorNetのおかげで、テレビ局の中継車に依存しないポストプロダクションのための独立した設備を構築することができました。これにより、中継車のエンジニアは番組のニーズに集中できるようになり、残業時間の管理にも役立ちました。MediorNetのおかげで、従来会場全体に敷設していた重い銅線ケーブルを光ファイバーに置き換えることができ、搬入がはるかに効率的になりました。場合によって、光ファイバーは必要な場所に到達するために、ビルの側面や屋根を越えて何百フィートも敷設されました。East Shore Soundは、MediorNetという素晴らしい製品を提供してくれただけでなく、セットアップに専念する専門チームを提供してくれたので、中継車クルーから責任を取り除くことができ、私たちの成功をさらに確固たるものにすることができました。」
「MediorNetは長年にわたって使用され続けており、その信頼性と実用性を証明し続けています」とEast Shore Sound社長のBill Saltzer氏は話します。「MediorNetの最も強力な特徴のひとつは、迂回路を作り冗長性を持たせることです。たとえ不具合が起きても、視聴者にはその影響が全く分からないという点が重要です。全体として、1つのハードウェアを部屋に持ち込み、現場に到着する前にすべての信号をプリプログラムしておける能力が、RIEDELのソリューションを選択する決め手となりました」
■ワイヤレスインカムBoleroの導入で安定したコミュニケーションを獲得
今回のプロダクションでは、MediorNetの他に RIEDEL のワイヤレス・インカムシステム Bolero も使用され,56 台のベルトパックと 18台のアンテナ,そして Artist-1024 フレーム1台が導入されました。これにより、ステージマネージャーから音響技術者に至るまで、すべての制作スタッフが両会場で安定したコミュニケーションを確保し、MADIを介して制作トラックのインターホンシステムとも連携できるようになりました。
DNC大会でのRIEDEL『MediorNet』の成功は、このシステムの多用途性と複雑なリモート・プロダクションを合理化する能力を実証しています」とRIEDEL Communicationsの米国西地区Key Account担当/副社長Patti Gunnell氏は話します。「私たちはEast Shore Sound社が『MediorNet』を巧みに活用してくれたことに感激し知恵ます。そしてこのソリューションが『The Daily Show』にIPの複雑さを伴わないネットワークのメリットを提供していたことを大変嬉しく思います。今回の導入は、我々の技術がいかに多様な環境に適応でき、同時に大幅な運用効率を提供できるかを示しています。」