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【PunQtum, Bolero】バーミンガム・ロイヤル・バレエ団
【PunQtum, Bolero】バーミンガム・ロイヤル・バレエ団
PunQtumとBoleroが英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団のコミュニケーションをサポート
歴史ある英国バーミンガム・ヒッポドロームを本拠地とするバーミンガム・ロイヤル・バレエ団(Birmingham Royal Ballet: BRB)は、イギリスを代表する5大バレエ団のひとつです。精力的なツアー活動で知られるBRBは、多様な会場で迅速かつ容易に導入できる、信頼性の高いコミュニケーション・ソリューションを必要としていました。
バーミンガム・ロイヤル・バレエ団は、観客の期待に応えるかたちで複雑な演出に挑戦し続けているため、高精度で明瞭な部門間コミュニケーションが不可欠となっていました。その課題を解決したのがPunQtumとRIEDEL Boleroによる革新的な通信ソリューションです。2022年10月の導入以来、BRBチームに柔軟で安定したコミュニケーション環境を提供し、舞台運営を強力にサポートし続けています。
システム更新前、制作チームは会場に設置された1~2チャンネルの有線システムとトランシーバーを組み合わせた2ステージ・システムを使用していました。しかし、このシステムは保守や更新を会場側に依存していたうえ、ポータブル無線機の使用による干渉やコミュニケーションミスといった課題が発生していました。
「会場によっては、公演規模や演出の複雑さに対応できないことがよくありました」と、バーミンガム・ロイヤル・バレエ団の照明/AVテクニカルマネージャー、Johnny Westall-Eyre氏は語ります。「現地のシステムは信頼性が低く、管理も困難な状態でした。一度にひとりずつしか話すことができなかったこともあり、正直なところ理想的とは言えませんでした。」
システムのアップグレードを決断した同団の照明&AV部門責任者、Andrew Wilson氏は、Riedel Communicationsに連絡を取り、同社のソリューションについて情報を収集しました。
「求めていたのは、高い信頼性を備え、適応性と柔軟性に優れたシステムでした」とWilson氏は説明します。「チャンネル間の干渉リスクを最小限に抑え、安全かつ効率的に公演を運営できることが重要でした。また、将来性があり、マルチチャンネルで使いやすいことも必須条件です。特に、ツアーでさまざまな会場を巡る際には、シンプルな操作性が求められます。さらに、会場のシステムに依存せず、完全に自前で運用できることも大きなポイントでした。」
RIEDEL UKのセールスマネージャー、Nacho Lee氏は、バーミンガム・ロイヤル・バレエ団にインテグレーション・パートナーであるAutograph社を紹介しました。Autographは、公演中に移動が不要なメンバーと移動が必要なメンバーの双方に対応できるよう、ワイヤレスインカム「Bolero」と有線デジタルパーティーライン「PunQtum」を組み合わせた独自のソリューションを提案。このソリューションは拡張性に優れ、多様な会場に適応する将来性のあるシステムとしての条件を満たしていました。「技術の移行は、特定のケーブルやセットアップに慣れ親しんだユーザーにとって難しいものですが、PunQtumはどのスイッチでも動作するため、素早く簡単にセットアップできます」とLee氏は説明します。
2022年10月、バーミンガム・ロイヤル・バレエ団の『コッペリア』公演において、実機デモのためこのソリューションがプリマス・シアター・ロイヤルに設置されました。デモによりシステムの適合性が証明され、バレエ団はPunQtumとBoleroの導入を決定しました。
新システムでは、有線デジタルパーティーライン「PunQtum」が、公演中に移動のないチームメンバー向けに導入されました。ステージマネージャーやアシスタント・ステージマネージャーなど、舞台運営の要となるメンバーが含まれているため、万が一信号が途絶えた場合にも、有線通信の信頼性を確保できるのが大きな利点です。一方、フォロースポットのオペレーターのような、高所や手の届きにくいポジションで作業するメンバーには、ケーブルの制約を受けないワイヤレスインカム「Bolero」が割り当てられました。RIEDELとPunQtumのシステムを同一環境内に構築できる柔軟性により、スムーズな移行を実現しました。
シニア照明技師のScott Smith氏は、信頼性の高いコミュニケーションシステムの重要性について次のように語ります。
「私たちのインカムシステムは、お互いをつなぐ生命線です。公演中、アイテムやシーンを移動させる場面がありますが、信頼できるコミュニケーション手段がなければ安全は確保できません。この新しいシステムでは、事前に問題を予測し、解決策を考えることができるため、万全な準備が可能になりました。」
拡張性の高いコミュニケーションシステムは、大規模な公演において特に有効です。PunQtumベルトパックは最大8台までデイジーチェーン接続できるため、必要に応じて簡単に追加が可能です。BRBのバックステージチームの規模が拡大しても、全員が本番中にスムーズに連絡を取り合うことができ、さらにマルチチャンネル機能を活用することで干渉を防ぐこともできます。
「Autograph社と構築したシステムは、ラックを搬入し、ケーブルを接続して少しテストをするだけで、すぐに使用できます」とSmith氏。また、公演中に重要なステージチャンネルへの干渉がなくなったことで、ステージマネージメントチームに大きな安心感をもたらしました。
「これまでステージマネージメントチームは、ひとつのショーチャンネルを使って多くの人と会話していましたが、今は同時にさまざまなスタッフとやりとりできるようになり、とても満足しています」とJohnny Westall-Eyre氏は話します。
さらにバーミンガム・ロイヤル・バレエ団は、制作規模が拡大し複雑化する中でも、RIEDELとPunQtumのソリューションであれば一緒に成長していけると考えています。PunQtumがリリースした『Quiet Environment Mode(静かな環境モード)』は、劇場の静かな環境下でも自動モードでユーザーの声をカットしないようにするもので、BRBの技術チームにとっては非常に有用な追加機能です。「PunQtumのスタッフは、私たちの意見に耳を傾けてニーズに合わせて調整してくれました。このシステムは、2022年10月に導入されて以来、本当に進化しています。」とSmith氏は語ります。
結果としてこのシステムは「舞台裏でのコミュニケーション改善」と、「舞台でのパフォーマンス向上」をもたらしました。チームのキーパーソン同士がより円滑にコミュニケーションを取れるようになり、コラボレーションの質も向上しました。このプロジェクトの成功について、Autograph社のテクニカルセールスエンジニアであるWilliam Cottrell氏は次のように説明します。
「バーミンガム・ロイヤル・バレエ団は、このシステム導入でコミュニケーションが改善されただけでなく、自信を持ってツアーに参加できるようになりました。事前に通信ネットワークの計画を立てることで、会場が変わっても一貫したレベルの安定性を確保できるようになったのです。」
導入機材リスト: